○今回のポイント 1 家族に合わせて考え建てることが本来の家づくり
○今回のポイント 2 重要なのは家族の暮らしやすさ、それにプラスして耐震や省エネを意識する
前回セルフディフェンスとは即地震つまり耐震のことなのだろうか?果たしてセルフサポートとは即バリアフリーのことなのだろうか?と、お話しました。今こうして、震度7を何度受けても耐えられるとか、マンション全体がすべて免震ゴムで浮いていてダンパーなどによって制震されているなどとか、さらには段差がなく車いすでも支障がないように広い廊下の家でホームエレベーターも付けられる、などなど際限がないのです。
が、なるほど大きな二つのS(セルフ)で2Sの発想であることは確かなのですが・・・、これが果たして本当に安心の家なのか?と思うさ中で各地で思わぬ災害が起こり、高齢化の影響がこうも早く進むとこれからの家や住まいはこれがまるですべての条件のようと思えてしまいます。
現代は人々はこうした謳い文句に敏感となるのかも知れません。事業者もこうしたニーズに応えるべく住まいを研究し、さらに売り出そうとするのも無碍なるかとも思えるのです。しかしここで改めて、家とはもともと買うものではなく造るものであり建てるものだったはずです。家をあれこれ工夫し、悩み工面して考えさらに大工さんや職人たちに頼んで建てるところに本当の価値があり真の安心があったはずなのです。
<強靭な井桁構造の木の家に楽しみの那須の家(H様邸設計:天野彰)>
住まいは家族の生活や暮らしやすさを最優先に考えること
今時代が進みすでに事前に出来上がった家を購入できるようになりました。販売する側もこうした売り文句が必要となるのです。が、実際にできてしまった家は買う側も専門家もなかなかその実態を確かめようもないのです。
そんな中大きな2S、すなわち「耐震」と「バリアフリー」が余りに優先され過ぎると、本来の家族一人ひとりの生活や楽しみなどが二の次三の次となり、住む側も今こうした家が安心の家と思ってしまいます。このことはあの「高気密高断熱」大流行りのころの家と同じように肝心の本来の四季の自然の感覚を忘れ常に冷暖房に頼る暮らしとなったことが思い出されます。
このコラムではいつもお話ししていることは、住まいは自分たちの生活や暮らしを最優先に考え、その上でこうした耐震やバリアフリーなどに惑わされることなくそれらを参考にして生かして、さらにわが「老後の生活」をイメージして省エネや健康などを幅広く考えることなのです。このことは今住んでいる家のリフォームや補強にも共通することなのです。
<イラスト:四季をイメージした可変の住まい方(画:天野彰)>
次回は「耐震の家とはハードだけか?」です。
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