いくつになっても住める家(5)街も家もそこに住む人しだい?
○今回のポイント 1 災害には、国や他人に任せず自分自身で日頃から注意する意識が大切
○今回のポイント 2 そして暮らす地域をしっかり知ることも重要
年が明けて新しい年号となる改元の年を迎えました。はたして・・・国内外でいろいろな課題を抱えたままの新年号は晴れて皆解決の年代となるように願いたいものです。
前回までは老いて活性出来る家の話をし、さらに果たして家は必要なのであろうか?などと悲観的なことまでお話しました。実際に近年起った災害の多くは人が多く集まる都市の中枢から外れ国家的混乱には至っていないものの唯一あの阪神地震に見るように新幹線や幹線道路などが寸断され国中に大きな混乱を招いたことは記憶に新しいものです。
これがあの阪神大震災の三宮や熊本の都市部での混乱に対して、さらに高層過密化した東京や大阪名古屋などの巨大都市に起きたと仮定するといったいどのような大災害になるのか皆目想像も出来ないものです。
その視点で今の都市部さらには湾岸沿いの有様を見ると最高震度の揺れや、さらには想定外の津波の発生を想像するとまさしくぞっとするものです。
しかし現実は誰もそれをあす起こるかも知れないと警戒しているようにはとても思えないものです。しかしオリンピックを間近に迎えその成功に標準が定められた今、そこに住む人々は自らの住む位置と存在を都市や国家レベルで考える心構えだけは必要と思えてならないのです。
もっと直近は家族の心配をする自分自身、すなわちわが身の置き場そして健康や安心こそが重要に見えてくるはずです。これは他人や行政に即されるものではなく、今や誰もが自身でそうしなければならない事実に気付くはずなのです。あの福島原発のように災害に対して少しの配慮の無さで実際に“想定外”の大災害になったり、利益優先で分譲される家や宅地が大きな被害を被ることにもなるのです。
<阪神大震災の都市部の被害(写真:天野彰)>
暮らす都市・町を実際に見渡すことが家づくりや家探しの第一歩
それらを防ぐ手だては簡単ではありませんが、ただ言えることは誰もが人に任せるのではなくその警戒の意識を持って暮らすことが一番と言えるのです。
つまり自身や家族のことはまず最優先として、情報は頼るより参考としながら常に周り全体のことを実際にわが目わが足で広く実感掌握することが何より自身の安堵の解決の糸口となるのです。
家づくり・住まい探しもまずはこの視点が何よりで、そこから費用経済さらには好み、そしてその将来性を見通すことです。すると・・・、果たしてここで生涯の家を今求めるべきか?借りるべきか?さらには果たしてこの町にいつまでも住むべきか?が、リアルに見えてくるのです。
こうして自身がこの町にいることの意味や役わりさらには世代と先々の暮らしまでが見えてくるのです。実はこれによってこの町にも住む人までもが変わってくるのです。実際に多くの被災地の中でもこうした町や村の人々によって災害を未然に防いだり最小限に食い止めた例は多いのです。
<プロテクトハウスのプラン例(図:天野彰)>
このコラムやエッセイで常に言うわが身の、セルフディフェンスとセルフサポートの一人ひとりの意識がますます混沌とする都市生活には重要な時代となるのです。
次回からは改めて、「セルフディフェンスとセルフサポートハウス」すなわち2Sハウスについてお話します。
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