生かすか壊すか今の家?(4)50代 わが「先」を観てみる?
○今回のポイント 1 前を向いて、暮らし方を長期的に考えることが重要
「生かすか壊すか」に際して耐震強化やインテリアなどが気になるところですが・・・、古くて弱弱しい建物だからと言ってすぐに壊すことを決めてしまう前に、わが家を改めて観ると同時にわが家族、そう自分自身の行く先、人生を見てみるのです?
前回もお話した通り、津波などの災害などに対する防災強化などのハードばかりを考えて、慌てて、今までの家や街を捨て、先の見えない高台や防波堤を巨費を投じて造ってしまうことなどと同じことなのです。
実際に地元、三陸の人たちにお逢いしお話しして、その実態を見てその決定が何とも拙速で寂しく、重苦しい気持ちになって帰って来たのです。まさしく家のリフォームとも同じで、生かすか壊すかを、も少し冷静に見ることが大事なのです。
ちょうど、若い世代に向けて『50代から生涯暮らすリフォーム』などと言う仰々しい本を書いていた最中で、まさかこうしたすべてのことが、50代や60代の人たちの近視的な発想や創意?に寄って出来てしまっているのではないだろうかと思えてしまったのです。確かにすでに70代となった筆者にとっては、こうしたギャップを大いに感じており、最近の近視眼的な政策や政界の成り行き同様、今のことしか対処していないことが気になります。それは通勤電車などや道を歩くときに顕著で、ほとんどの人が下をうつむいてスマホに見入り“前を見ていない”のです。
電車の入り口から左右を見ると座っている人がまるでエビのように全員うつむき猫背になっている光景はまさに壮観で、不気味です。つまり誰も“前を見ていない”のです。
こうも前を見ずにいて将来の姿などが果たして見えるのだろうか?と、肝心の家づくりの現場でもいささか疑問に感じることが多いのです。
おりしも全国にあり余るほどの「空き家」が増えている社会現象と、さらに壊すか生かすかに迷う世代のために、「50代からの・・・」は、まさしくこれからのわが暮らし、わが国の将来を長期的に見て家を考えて欲しいと願うつもりで書き綴っていたのです。
ちょっと本の宣伝のようですが・・・、「人生100年時代、50代は折り返し点」と言うことから、これからの家を考え、人生をどう暮らすかをテーマに最新事例の写真の中に、あえて家族の生活イメージをイラストで書き込んで分かりやすくまとめたリフォームの“絵本”のようなものです。内容は単なるハウツーにとどまらず、実際に設計した住まいの中に現実的で理想的な生活を描き、これからの住む人の人生を考え、いかに活き活き生きていくかを考える本にしているのです。
『50代から生涯暮らすリフォーム』KADOKAWA、5月31日発行予定で1,500円(詳細はページ最後をご覧ください。)ですが、今まで考えてもいなかった家族のこれからと、今の家を「生かすか壊すか」を自然に理解できるはずです。ぜひご一読いただければ幸いです。
またこうしたことを背景に、5月30日(水)・31日(木)・6月1日(金)と3日間、東京台場ビッグサイト東5号館にて開催されます
「建築再生展」(外部サイト)に私も“生かすか壊すか?”の展示相談コーナーでこれからの住まいを展示しています。
(出展テーマ:サイト参照)会場にてお逢いできればこれまた幸いです。
次回は今の古家でも、ちょっとの耐震補強で再生についてお話します。
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★天野彰先生の最新情報!
2018年5月31日(木)発行
『50代から生涯暮らすリフォーム』
天野彰・天野彰人共著、KADOKAWA 価格(本体1,500円+税)
人生100年時代、50代は折り返し点です。長年日本人の住まいを見つめてきた建築家親子が、これからの人生をどう暮らすかをテーマに快適なリフォーム術をアドバイス!実際に手がけた最新事例を基に、写真とイラストでわかりやすく全47の手法を提案します。本当は家のことを 50 代で考えるなどとは遅いのではないか、と思います。 30 代、 40 代で家を建てた人は、その時に 80 年、 90 年という自分自身の人生時計を連想しながら家をつくっていれば、50代で慌てることはないのです。また、今日のように社会問題になっている「空き家」にもならないのです。単なるハウツ ーにとどまらず、実際設計した住まいの中にイラストにて生活を描き、これからの住む人の人生を考え、いかに活き活き生きていくかを考える本にしています。
50代はもちろんですが、同時に若い世代あるいは高齢世代にも自分たちのこととして考えていただく本です。
<50代から生涯暮らすリフォーム(天野彰・天野彰人共著>
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