生かすか壊すか今の家?(2)活きるためにちょっと辛口提言
○今回のポイント 1 言われるがままに建替えるのではなく、一番の手段を徹底的に検討すること
この連休は普段忙しい人たちにとって、ちょっと留まって“わが家を観る”とても良い休日だと思えるのです。まさしく海や山あるいは海外へといろいろな予定があろうかと思いますが、何より50代の人は人生100歳の間半分の節目、これから先の“長~い暮らし”のためになんとかわが家を持たせることをちょっと考えるのです。
果たして地震のためにわざわざ家を建て替える必要があるのでしょうか?
かつて、あの「国立競技場は壊して建て替える必要はあったのか?」「なぜ増築リフォームを検討することなくさっさと壊してしまったのだろうか?」などと多くの人からの疑念もありました。今あのことで反対もしなかった建築家や大手ゼネコンが大きな信頼を失ったことを彼らは国民の一人として感じているのでしょうか? 完成を目指して日々頑張っている巨億の国家プロジェクトの作業に対してだれも目を向けることなく、完成の期待もないのはなぜでしょう。現場に行っても大々的に完成をアピールするどころか、こそこそ目立たないように工事を進めているのはいったいなぜなのか?と多くの市民の声も聞こえてくるほどです。当事者の人々にとってはやりがいのない悲しいことなのですが・・・、すべてが“専門家委員会”?のせいで事を済ませる行政の無責任さに、何を言っても仕方がないと諦めてもいるのでしょうか?
しかし成熟した国家や都市においては累計で数千億ともそれ以上とも言える国家プロジェクトに心ある専門家を選ぶ能力だけはもってほしいものです。
30年持つかどうか分からない家に建て替える前に考えること
何か話が違う方向に行ってしまったようですが、要は「レガシー」などと心地よい謳い文句があるようなオリンピック後の効果的で意義ある成果とはいったい何なのか?改めて考えてみる必要があるのではないかと言うことで・・・。
私たちの住む家もまたその通りで、今何が不足か?どこが危険でどこを補修すればよいか?果たしてその費用はいくら掛るか?を徹底的に検討することなく施工者に「壊しましょう」と言われてすぐに建替えてしまうのはいったいなぜだろうと言うことです。
まさしく先人たちが何百年も持たせようとつくって来たレガシーの家をあっさり壊すことは、そして拙速と30年持つかどうかも分からない家に建てることが果たしてわが家いいや、わが国の「レガシー」となるのだろうか?と言うことなのです。
そこで、前回お話のまずは家が建っている位置と地盤を観る。さらにわが家の造りやその痛みを見ることをしていただきたいのです。さらに今後どう生きるかも考えて頂きたいのです。意外にもここでは“夫婦別々?”に考えて頂きたいのです。
次回は都市での耐震強化をお話します。
<阪神大震災の惨状(撮影:天野彰)>
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