リフォームで減災(4) 家を守るちょっとした耐震?
○今回のポイント 1 あらゆる災害に備えるため、一番大切なことは避難ルートと場所の確保
○今回のポイント 2 倒壊の恐れのある箇所には、ガードとしてコンクリート製の壁を築く
防災、防災と言うとあらゆる災害、あらゆる事象で万全の用意することと思いがちです。そんな広範囲に防災などできようもなく大方の人は「ま、来たら来た時のこと」などと、心の内で思ってしまうものです。こうして防災はできずにその準備も怠り、いざ来た瞬間には慌てて何の行動も取れず、不幸にして被災してしまうのです。実際にあらゆる地震や津波さらには洪水や火災、そして台風や大雪などと被災された人たちの多くの意見を徴収することからある種の共通する意外なヒントを得られたのです。
それこそ「命だけでも助かって良かった」です。
助かることができたと言うことは災害から逃げおおせたと言うことです。たとえ家は失っても命だけは守ることができたと言うことです。
そして、家族とも連絡が取れ今避難所で一緒に暮らせている…です。ここで重要なのは家族との連携とさらに地域のサポートなのです。
減災はあれもこれもするのではなく、まず命を守ることそのためのルートの確保と避難場所の設定なのです。
<危険度順位を決め順番に防火減災をする(画:天野彰)>
家を守るために、倒壊の恐れのある方向に頑丈なコンクリート製のガードをつくる
そこでまずわが家から最低限の備えをと言うことですが、よく徹底した耐震補強や防火が叫ばれていますが、まず家から外へ、さらに避難先までのルートを実際に歩き見直し、火災発生や倒壊を想定してみるのです。するとわが家の危険な場所の耐震補強、隣家の状況からの倒壊や防火の外部防御の順位と防災工程をつくる。
さらに逃げる際のルート遮断の想定や、地域によっては津波や河川の氾濫などの危険が迫る方向を日ごろから想定し、避難先を複数用意し家族とも示し合わせておくのです。
耐震工事も早い方が安心ですが。なかなか簡単にはできません。阪神大震災で家が傾いたために古い電柱を数本方杖のようにつっかいをした民家が無傷で生き残った例もあるのです。
東日本大震災では頑丈な塀によって津波は受けたものの倒壊は免れ、家財の多くが助かった家もあるのです。山沿いでは山側に頑丈な擁壁をV字に造り土砂から助かった家も多いのです。
全方向を防御するのではなく取りあえず危険な方向にまるで船の舳(へさき)のような頑丈なコンクリート製のガードをつくるのです。これは沿道に住む人の家で度重なる交通事故から身を守るためと言う・・・。新たな減災かも知れません。
<阪神大震災で古電柱の方杖一つで助かった家もある(画:天野彰)>
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