家相はどこまで従う(2)「意外!家相で“経済封鎖”?」
○今回のポイント 1 今回のポイント 1 両親の意向も家相を気にする理由の1つ
○今回のポイント 2 家相は家づくりの進め方や思考を伝えるためのツール
「家相」について以前にもこのコラムにて例えに挙げた、若いエンジニアで近代的な考え方の建て主の家を設計したときの話です。「家相なんてナンセンス!」と、希望のプランも決まったある日、実施設計もほぼ終了するころです。
「あのー。“家相”に沿ったプランにやり直せますか?」と突然言うのです。以前からも両親から家相に従え、とさんざん言われていたらしく、それでも「家相などナンセンス!」と突っぱねていたのですが……、なんと、今ごろになって家相に従った家に修正してくれと言うのです。今まですべてのプラン構成と設計図面がすべてパーとなってしまった瞬間です。
「ご主人、一体何があったのですか?」と聞くと、なんと両親の言うとおりの家相プランにしなければ、足りない建築資金を出さないと言うのです。まさしく“経済封鎖”です。
これは大変と、今までの合理的なプランをもとに「鬼門」だけを避けて修正案として、家族に紹介された家相の専門家に見せてOKをもらったのです。「家相なんてナンセンス」と言っていた若い建て主も、実施設計の費用がさらに嵩んでも、両親からの“経済封鎖”にあえなく屈したのです。
<イラスト:経済封鎖 後の変更プラン(画:天野彰)>
私自身も、近代建築の設計屋として、そのチャンスに、1人の家相家の診断だけではなく、同じプランで、私の知る何人かの家相家のチェックを受けたのです。するとどうでしょう。同じ図面でありながらある人はすべてOKと言ったり、さらに厳しくあちこちを修正させられたりと、その裁量がさまざまであることが分かったのです。そう、それぞれの家相家には確たる思想と流儀があることが分かったのです。
これは大変です。その都度いちいち何人かの家相家の意見など聞いていては住みやすいプランなどいつまでたってもできないのです。
家相を気にするのは、家づくりを真剣に取り組んでいる表れ
しかし、こうした「家相」にどこまで従うか?ですが、図らずも私の家づくりのさ中、ある不幸があり、気になって知人の家相家に尋ねたところ、プランだけではなく家の外の鬼門に相当するところに何かないかと聞かれたのです。まさか、と思いつつも、敷地のあちこちを探ったところ・・・、なんと!購入する前の家の北東の鬼門に古井戸らしきものがあったのです。旧建物の解体時にその井戸にガラやゴミなどを投げ入れて土で埋めていたのです。私はこれに驚き、慌てて綺麗に浚(さら)えてお祓いを受けたのです。その結果かどうか?なんとか大事には至らなかったような気がするのです。
以来、その轍を踏まないよう、必ずこうした古井戸や池の跡などをしっかりと探るよう努めているのです。
「家相」があるかないか?の以前に、こうして「家相」を気にしてプランをよく見ることは、すなわち家づくりはもっと慎重にかつ丁寧に進めるべき!と言うメッセージであることを改めて知らされたのです。
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★次回お楽しみに♪
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