収納は難しい?(6)物を家の中に入れない!玄関クロゼット
―九州豪雨で被災された方々、今も避難されておられる多くの方々に心よりお見舞いを申し上げます。―
○今回のポイント 1 収納で神経質になるのは人生 勿体ないと考える
○今回のポイント 2 物を置くための家ではなく、人が快適に生活する家にする
○今回のポイント 3 必要な物だけを残す生活
やはり収納についてのお話がなんと6回にも渡ってしまい、しかも同様な答えが何度も出て来て我ながら驚きます。
家づくり、すなわち物と同居?家は物を置くところ?そんなセオリーがいつの間にか生まれて、次第に「収納」が住まいの主役のようになってしまったようです。
しかしかつてわが国の家はもともと柱と屋根だけで、収納の造りなどなく(イラスト1:江戸の裏長屋)、西欧の家も壁だけで家具が主力で、やがて屋敷には「納戸(塗り籠め)」や「蔵」、庶民の家には「押入れ」ができ、さらに今のクロゼットなどの造りつけの「収納」となるのです。
<イラスト:何度も紹介する江戸の裏長屋の生活(画:天野彰)>
そこで今改めて原点に戻って、家は人が主役と考えるのです。
つまり人が生きて行くために何が必要かを考えるのです。まさしく手の届くところに、必要な物の「置き場」です。
これはこれからの超高齢化社会での生活で必要な最低限の物と考えるのです。その段階ではすでに「断捨離」や「終活」などの余裕など無いのです。物に左右され、収納で神経質になるなど、人生がもったいないと考えるのです!
今からできるだけ物を買わない、物を持ち込まない、生活を“鍛錬”をする必要があるのかも知れません。
今家の中にある必要ではないものを極力追い出し、さらに外から家の中に物を持ち込まないことです。まさしく「住まいの外と内の関所」をつくるのです。それこそ玄関でストップ!の「玄関クロゼット」と台所の勝手口の「パントリー」です。
かく言いながら・・・、わが家のあり様を見ると気が遠くなりそうですが・・・。
<写真:ここでストップの玄関クロゼット(設計:天野彰)>
次回からは「夏を涼しく」をお話します。
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