○今回のポイント 1 子どもに部屋を“貸す”のは、巣立った後の部屋に明確な目的を持つことが大切
○今回のポイント 2 貸した部屋は夫婦のプライベートとしても、共有スペースとしても使えるよう工夫する
「子どもに部屋を与えるのではなく “貸す”」考えで、と述べてきましたが・・・。
実は子どもが育って進学や結婚などで出て行ったあと、夫婦二人だけになった家での親の生活はどうかと言うと、まったく何もしないでそのまま部屋残しつつ、持ち物もそのまま残していたり、何のこだわりもなく奥さんがその空いた部屋の一つに入り込みそのまま寝る!寝室にしている例も多いのです。
子供の巣立った部屋で夫婦バラバラは危険
いったい何のために子に“貸して”いたのでしょう?確かに子どもに「俺の部屋」と言わせないためではあったのですが、子育てののち狭かったわが家を夫婦で広く使い家事室や書斎あるいはアトリエにするなどにして悠々自適に老後を過ごすためのはずではなかったのでしょうか?
それがかえって夫婦が寝室を別々にして、バラバラになってしまっては何もなりません。しかもこのことが危ないのです? 大袈裟に云うと夫婦に危機が訪れたり、どちらかが体調を崩し思わぬ事態で不運にも亡くなることさえあるのです?これは大変です。
しかし現実には、圧倒的に自分たちの寝室を希望し、夫婦別寝になることが多いと言うのです。ましてや夫は一階の和室で、妻は二階の寝室?!これが危険なのです?一階で何か異変があっても上で寝ている奥さんには伝わりません。朝になったら・・・?と言うことも多いのです。
有効的に使える、【夫/婦寝室】
そこで、狭かった寝室を書斎か納戸にして、二つの子ども部屋の間仕切りを壊して一つの大きな寝室にするのです。その間をイラストのように引き戸にして「夫/婦寝室」とするのです。互いのいびきの騒音?や、寝る時間差、寒暖の温度差に応じて、開けたり閉めたりするのです。これなら何か互いに異変があってもすぐに分かります。
<子ども部屋を一つの夫婦の寝室にいざとなったら開ける(画:天野彰)>
更にコンパクトに夫婦の生活の場を収束させ「減築」し、改装して一部を人に貸せるアパートや下宿屋にするのです。賃料のためだけではありません。この先老いの生活でなにかあったときのためで、第一寂しくありません。
家を建てたり大幅なリフォームをするときは、老後のこうしたプランを下地に描き、そのうえで子どもにその一部の部屋を貸すのです。
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