子育ての家(1) 2段ベッドで2つの子ども部屋??
― 家相は日本人の心の中に存在するようです。 ―
○今回のポイント 1 住まいの主役は夫婦 子供部屋は適度な空間に
○今回のポイント 2 アイデア次第で、魅力的な子供部屋になる
今年は入学式や新学期などはどこも満開の桜に迎えられました。なにか桜がじっとつぼみのままで待って居て満開を合わせてくれたようでした。この頃の父母はうれしくも困惑の季節ともなります。それこそ子どもの進学進級と「子ども部屋」です。
子どもに個室を与えるべきかどうか?
男女はもとより、小学生でも高学年の子どもたちは兄弟と分けて個室が欲しいと言い出します。ただでさえ手狭でしかもこの不景気なときにそれぞれに個室など!と思うのですが、確かに姉と弟の身体的変化や、上の子の受験などとなると仲良し兄弟も別々にする必要が出てきます。
今の2LDKのマンションなどで、2つの個室の一つを夫婦の寝室、もう一つを子ども部屋として使おうと思ったら、さっそく親の寝室を明け渡し2つの子ども部屋にし、親はリビングで寝る!?などと言う事が本当に起こっているのです。
あのかつての公団住宅などのふすまで仕切られた田の字型プランの3DKなど、3の個室と言ってもその一つはDKで、来客時の応接間で、本当は2DKなのです。その2部屋を子どもに取られ、夫婦の寝室は“食卓の下”となることになるのです。
住まいの主役は子どもではなく夫婦です!
その夫婦の寝る所がなくてはいけません。私はそんな時「子どもたちにその6畳のひとつを二つに分けてそこを“貸したら”どうでしょう?」と提案します。「えっ?」と怪訝な顔をする夫妻に、「いや彼らが育って出て行くまでのわずかの間ですよ」と追い打ちを掛けます。
つまりこの段階で恒久的な「子ども部屋」などをつくると、そこは彼らの安住の地となり、引きこもりになったり、ニートになりかねないと思ったからです。
そこで6畳をタンスなどの家具で仕切って、2つの子ども部屋?に分けるのです。そう3畳ずつの子供コーナーです。しかしこれではいかにも狭い!ベッドを置くともう机など置くスペースなどありません。
それでも子ども部屋を与える必要があるのか?と言うと、情報化の現代は良くも悪くも子どもは早熟し、プライバシーの確立も早いのです。体位も向上し、せめて寝る場所、着替える場所としての個室は必要なのです。さらに片付け方や落書きなど区別がないと各々にきちっとした躾(しつけ)もできません。
大切なのは「子ども部屋=勉強部屋」ではない!
個室を与えたらそれ以上に楽しいLDなど子どものサロンなど魅力的なアイデアが必要なのです。
そこで6畳間を2人の子どもに“立体的に”分けるのです。これぞ元祖?「てれこ凹凸2段ベッド間仕切り子ども部屋」です。
元祖などと言うのは30数年ほど前の拙著「狭楽しく住む法」(新声社)でご紹介した“手法”で、大いに脚光を浴び、皆さまに実践していただいたものです。
イラスト:今までの2段ベッドで2DKを3DK?に(画:天野彰)
イラストのように今ある2段ベッドを部屋の真ん中に置き、その上段と下段をパネルでてれこ凹凸(互い違いの)に仕切って部屋を左右に分けるのです。上段は男の子、下段は女の子のようにするのです。するとどうでしょう!部屋を壁や家具で仕切ってベッドと机を置くともう身動きさえできなかったものが、互いがベッドが相手側に立体的に食い込んでいるため、机や本棚あるいはソファなども置けるのです。まさに子ども部屋を上下に立体的に仕切ったのです。
肝心の子どもたちは「操縦席みたい!」と大はしゃぎです。さあ、これで2DKが見事に3DKに変身しました!
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