amanoakira お役立ちコラム
「天野彰の快適住まい」

住まいの知恵(2)憂鬱な時代のアクティブな家とは?

○今回のポイント 1 視覚的にガラスやカガミで空間の抜け感を演出
○今回のポイント 2 壁の上部や隅をガラス張りにするときは、人が写り込まない工夫を




『自粛巣ごもり生活の工夫を 将来の住まいづくりに生かす』などのアイデアを募集しましたが・・・、返って来たのは愚痴のようなものばかりでした。東京五輪も無観客で終わり、その他のイベントも自粛、施設や店舗への休業要請、テレワークの推奨などと何も施策もないままただ市民に頼むばかりで、人の流れはいっこうに減らない。なかには「セルフ・ロックダウンを」などと訳の分からぬことまで言い出す知事まで現れているようです。
しかし感染者は全国で増え続け、危惧すべきはこの長すぎる「巣ごもり」で自宅で閉じこもって過ごす人の多くが鬱状態になっていると言われます。まさに「コロナ疲れ」「コロナストレス」「コロナうつ」などの言葉の通りになりました。


写真:2階が抜けて透明に?プラスチックミラーの家(R様邸:設計アトリエ4A)
<写真:2階が抜けて透明に?プラスチックミラーの家(R様邸:設計アトリエ4A)>




今の家の間取りを溶かす?

 前回、「今こそアクティブに住む!」などお話しましたが、この狭い家の中でいったいどうやってアクティブに過ごせばよいのか?などの質問も頂きました。確かに2LDKの狭いマンションなどで住んでいると狭苦しい!そこですべての間仕切りを思い切って取り払ってワンルームにするのです。

 すると狭いと思ったわが家が案外広いのです。空間も広がり、生活パターンも自由になります。しかし寝室や子ども部屋などの休むところも必要です。分厚いカーテンなどを引くか衝立などのパーティションで仕切るのです。背の低いタンスなどでコーナーにするのも落ち着きます。いずれも自在に間取りを変えられて広さ感もあるのです。



壁の上部を抜く?


 では賃貸のアパートなど狭い部屋などで空間を広くする方法はないのでしょうか?さらに空間を拡大もする?手法をお話しましょう。ま、あの茶室の心理的いや、精神的広がりは、日常の寸法感覚をあえて縮めて細工された壁や天井によって遠近感を狂わせ、その中に居ると次第にとてつもなく広く感じさせる哲学的手法?なのです。



イラスト1:欄間をガラスやカガミで透かすと天井が連続し空間が広く(画:天野彰)
<イラスト1:欄間をガラスやカガミで透かすと天井が連続し空間が広く(画:天野彰)>



 そこで実際に視覚的に心理的に広く感じさせる手法があります。それが空間の抜けと写り込みです。壁やドアの上部の欄間の高さから上を、ガラスで透明にして視線が抜けて行くようにするのです。が、賃貸のアパートや隣との壁は無理ですのでその部分をプラスチックのカガミ張りにするのです。カガミに空間が移り込んで行くようにするのです。天井の照明を均等に配置しそれが写るようにすると鏡の虚像と分っていても、本物の空間が連続するように見えるから不思議です!




壁の隅を抜く?


 同じように壁の隅も抜くのです。空間がさらに平面的にも連続して行くように見えるから不思議です。壁の隅をカガミ張りにすると、今の部屋の壁が写り込んで、まるで部屋が平面的に繋がっているように感じるのです。いわゆる壁の抜け、空間の抜けと言うことですが、なんて言うことはありません。壁が部屋の隅のカガミに写って行くことで錯覚し、隣に抜けていくように感じるだけなのですが、狭い部屋もその圧迫感が無くなり、むしろ広々とするから不思議です。


イラスト2:壁の隅のカガミで壁が抜けて吸い込まれるような錯覚を覚える(画:天野彰)
<イラスト2:壁の隅のカガミで壁が抜けて吸い込まれるような錯覚を覚える(画:天野彰)>



 壁の隅が抜けていくことは息抜きともなるのですが、このコツは決して自分が写ってはいけない!のです。この壁のコーナーの隙間から間取りが連続する手法は実際の建築でも使われる高度なプランニングテクニックで、エキシビションの展示やレイアウトの際にもよく使う手法です。これにより空間が連続して人が自然に導かれて行く、不思議にアクティブな空間となるのです。これが今の住まいで壁際に鏡台を一つ置くだけでも可能となるのです。






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★長く続く感染拡大の中、果敢に戦っていらっしゃる医療従事者の皆様方に心より敬意と感謝を申し上げます。

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