amanoakira お役立ちコラム
「天野彰の快適住まい」

親と住む子と住む(6)秘策!「二世帯“含み”住宅」?

○今回のポイント 1 娘夫婦とはべったり同居ではなく距離感を持てる二世帯住宅に
○今回のポイント 2 まずは嫁姑それぞれの行動をプランに落とし込む
○今回のポイント 3 状況によって繋げることも遮ることもできるドアを設ける



嫁姑の同居こそ文化と生産性が高い?!

 同居や二世帯住宅の是非についてのご懸念や関心も多く、なんと今回は6回もの連載となりました。

ここまでお話しをしてきて、やはり“嫁姑こそ”あえてべったり同居する方が良さそうです。夫婦の生産性?も高く、さらに義母からはいろいろ学べ、孫には半世紀以上にもおよぶ生の情報と文化やマナーも伝えられると言う。しかも現代の共働き子夫婦にとっては子どもたちを親に託して安心して働け、親たちもその間、責任感が持てて生きがいも感じられると言う。

まさに“積極的な”親子同居には生産性があり「同居“共働”住宅」となるのです。親子夫婦双方に役割と責任感もあり、多少の諍いがあっても解決も早く、かつての封建社会の嫁姑の確執とはまったく違うのです。




娘同居はあえて二世帯住宅に!

 反対に“娘”夫婦とは、互いが甘えてべったりとなってしまいます。同居はせず、近くに住むか、あえてきっちり分けた「二世帯住宅にした方が良いようです。母娘なら二世帯で別々に住んでいてもしょっちゅう親の家に来て、親も疎外感もなく、しかも家計をきっちり分けられ、義理の息子すなわち“婿”の暮らしも気楽に過ごせるのです。娘の方は親の家に勝手に入って来て、親娘で喧嘩をしても“親娘だけに”すぐにやって来て関係は修復されるのです。


親子同居住宅のプランニングは夫婦 2組ではなく親子夫婦4人の家!

 最近は長寿で親夫婦はもとより祖父母も元気で四世代が一緒に住む例も多いのです。これを中国の故事で「四世同堂」と言い、まさに「鶴は千年 亀は万年」のようにめでたいことなのです。しかし現代の住まいの設計は夫婦それぞれが意志を持ち、一組の夫婦が住む家でさえ双方の希望や意見がそれぞれ10通りずつあるとすると夫婦で10×10=100なんと100通りのプランができることになります。これが親子の同居となると親、子夫婦それぞれで100通りのプランとすると、なんと100×100 で1万通り!となるのです。親子夫婦4人の意見や希望を際限なく聞いて全員の要望に合ったプランなど出来ようはずもないのです。そこで、「二世帯住宅」となるのですが、ここで分けてはだめなのです。

 改めて住む人を考えて見るのです。住まいのプランニングは数の合理性では解けないのです。夫婦や家族は1つではなく夫と妻1人ずつです。冷たいようですが、それぞれの行動momentと多くの思惑vectorを持っていて、それらを尊重し時間を読むと自然にプラとカタチが生まれてくるのです。つまり物理的にシンプルな分子構造のように構築するのです。

これが私の設計手法で、難しそうですがなんてことはありません、嫁姑それぞれの生活行動とその想いをよく観て、聴いてこの2つが気ままに動きやすいようにプランをつくれば周りの家族は自然についてくるのです。しかもこれによって、同居に必要な手立て?も見えてくるのです。


そこで秘策 同居の“安全弁”? 二世帯“含み”マジックドアです。

イラスト1:二世帯“含み”階段のマジックドアA開くと一体に、閉じると二世帯(画:天野彰)
<イラスト1:二世帯“含み”階段のマジックドアA開くと一体に、閉じると二世帯(画:天野彰)>


 あえて二世帯住宅の良さを生かして親子の間にドアをもうけるのです。その仕組み、いや、仕掛け?とは、両世帯の階段を中心に中からも外からも使える階段とし、その階段に“マジックドア”なるドアを設けるのです。



イラスト2:「二世帯“含み”住宅」のプラン 階段に注視(画:天野彰)
<イラスト2:「二世帯“含み”住宅」のプラン 階段に注視(画:天野彰)>


 プランのように親子1、2階に階段で分かれていても、べったり同居の一つの家です。しかし、時には孫の友だちの集まりでうるさいときや、嫁の友人や家族が訪問するときはこのドアを閉めて“別の家”にするのです。主玄関と階段直結のサブの玄関があり、息子世帯が転勤などで居なくなる時はドアAを締め、カギを掛けて人に貸すことも可能なのです。(イラストは二世帯“含み”の一般的なプラン。階段の立体図のドアAがマジックドア)


 こうして「べったり」とは住むものの、双方の寝る場所の寝室は極力遠くに離して、キッチンは2つ、そしてトイレも当然2つ、さらにバスも2つが理想です。

 こうして互いの夫婦のプライパシ―を守りながらも親子孫三世代が一体で平穏に住め、しかも昨今のように親子どちらかの体調の急変にも対処できるのです。

真の同居は、このコラムで何度もお話しして来ましたように、親子「共働住宅」として、少子高齢化社会を救う一助となり、老いるわが身わが国家を救うことになると思うのです。


次回は、どんなに「狭い敷地にも同居共働住宅は可能!」を送りします。



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