amanoakira お役立ちコラム
「天野彰の快適住まい」

親と住む子と住む(3)二世帯住宅は鬼の住み処か?

○今回のポイント 1 二世帯住宅は別々に暮らすより、一緒に同居の方が楽
○今回のポイント 2 同居住宅でも、プライバシーはしっかり確保し、キッチンなども世帯別で計画する


 嫁姑の「二世帯住宅」は「鬼の住処(すみか)」などとよく言われます。いったいなぜなのか?と言う疑問や、なかにはそんな辛い経験をして結局別居した。とか離婚までした例もあるとも言うのです。

「二世帯住宅」は親子の同居住宅なのか?

 そこで「二世帯住宅」での生活とは一体どんなことなのか調べてみました。確かに「二世帯住宅」は同じ屋根の下で親子2つの家族が上下1、2階?で別々に住んでいます。が、物理的にその2戸は別々の家で「同居」とは言えせん。しかも余りにも距離が近すぎるため、いくらコンクリート系の構造の家と言っても“実の親子や孫”だけに他人が住むマンションなどとは違って互いの音や気配が気になるのです。

 お互いの付き合いが積極的でない限り「音はすれども姿は見えず」の親子関係はかえってイライラが募り、顔も見せなければあれこれ気を使い疑心暗鬼となってしまうことも多いのです。まさしく“鬼”の心になるとも言えるのです。特に今まで互いが核家族の気ままな生活に慣れて来た両夫婦にとってはすべてが初めてのことでありその付き合い方もよそよそしくなり、お互いが気を使い時には疲れてもしまうようです。


“疑心暗鬼”はやはり“鬼”?

 こうして親の土地に音の伝わりにくい家を建て、取りあえず二世帯で「別々にしっかり分けていれば大丈夫だろう」の安易な「二世帯住宅」になるのです。あえて互いの生活に干渉しないように意識するために、それが相手には「避けている?」とか「冷たい!」と思われてしまうようになるのかも知れません。実際、父親が健在なうちはそんな疑問や不満を夫が慰めていたことが、運悪く父親が病に倒れたり、亡くなったりでもすると、母親は孤独感も増して、子夫婦への疑心暗鬼がますます募り、些細なことでいがみ合いも起こる例も多いのです。

 まさしく二世帯住宅に住む親子夫婦の「バランスの崩壊」で、結果「鬼の住処(すみか)」となるのです。そんなことから私は安易に「二世帯住宅」など最初から勧めません。むしろ嫁姑、すなわち息子夫婦と住む場合は思い切って一緒に同居で住む方が楽だと勧めているのです。

 つまり互いが勇気をもって顔を見合わせながら一緒に住むと、互いの良い所や欠点なども理解し合えるようになるのです。もし意見の相違や諍いが生じたとしても一緒ならすぐに理解でき修復できます。これなら疑心暗鬼とはならないのです。もしそんな中で親御さんにでも不幸があってもその後も支え合い長く暮らして行けるのです。こうしてあえて同居のメリットを互いにクールに考えてみるのです。


新しい同居住宅とは「同居“共働”の家」?

プラン:息子夫婦とは玄関は別、LDKも別、しかし一体同居プランG様邸(画:天野彰)
<プラン:息子夫婦とは玄関は別、LDKも別、しかし一体同居プランG様邸(画:天野彰)>


 同居住宅と言え、寝室など互いのプライバシーをきっちり確保し、台所などまさしく勝手は“勝手に”できるようにあえて2つのキッチンを設け、さらに孫の部屋は親の部屋からできるだけ遠ざけるのです。諍いの原因で多いのが子育ての世代の相違で、世代の違う親に干渉されることをもっとも嫌うのです。時代は変わっているのです。ここは親が我慢のしどころです。特に子どもが小さいうちは親の居場所が子ども(孫)の“逃げ場”にならないようにする工夫が大切です。



写真1:同居プランG様邸 玄関奥で一体(下が親、上が息子さん家族の家)(写真:天野彰)
<写真1:同居プランG様邸 玄関奥で一体(下が親、上が息子さん家族の家)(写真:天野彰)>



写真2:同居プランG様邸 2階(息子さん家族)で一体のホール(写真:天野彰)
<写真2:同居プランG様邸 2階(息子さん家族)で一体のホール(写真:天野彰)>


 こんなことが、初めから一緒に暮らしていると親の側も理解しやすく子育ての邪魔にならないばかりか、子夫婦の親としての正当性や苦労などを孫たちに知らせてくれる役割ともなるのです。何よりも互いの“見守り”が同居生活の最大のメリットで「同居“共働”住宅」なのです。



次回は「親の本音?子の本音?」です。 次回お楽しみに♪



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緊急事態宣言発令後も感染者数収まらない中、
果敢に闘っていらっしゃる医療従事者の皆様方に
さらに敬意と感謝を申し上げます。(天野彰)

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