amanoakira お役立ちコラム
「天野彰の快適住まい」

健康住宅(7)明かりも灯りは健康に影響大?

―800年も前に方丈記は今の日本の生活文化を描いていた?―

○今回のポイント 1 白熱灯などの優しい光は心をやすらげます
○今回のポイント 2 生活に合わせて、照明の明暗を調整して愉しむ暮らし


健康効果は室内の色彩や照明などに大きく左右されます。壁や天井を無難な白にすることが多いのですが、実際には壁や天井が迫って見え、さらに目が疲れたりもします。壁の一面や天井などに彩度の低い色彩で抑え、照明の配置や間接照明にして、調光器などで明暗を付ける演出することも効果的です。


イラスト:照明の演出(画:天野彰)
<イラスト:照明の演出(画:天野彰)>


LED照明は健康に優しいか?

近年LED照明は省エネ効果が大きく蛍光灯の発光剤など廃棄物質も少なく一般的となって腐朽しています。
が、青色LED光源から放出されるブルーライトを直接視ることで眼精疲労や、睡眠の妨げとなる間接的な障害も懸念されていることは衆知のことです。青色光のブルーライトと言っても紫外線は少なく目や皮膚に影響もなく虫などを呼び寄せないメリットもあるのです。しかしPC画面のバックライトは拡散しやすく焦点調整の為瞳孔収縮による眼精疲労と、睡眠前に長時間視ることで、生活リズムをつかさどる睡眠効果のメラトニン・ホルモンの分泌が抑えられ不眠や良質な睡眠が得られなくなるとも言われているのです。
 昼間職場や外出先で長時間青色光を浴び、今日のようにテレワークなどで長時間PC画面を視て青色光に目を晒すことが多い時代は、せめてリビングやダイニングそして寝室などは赤色系のLEDか白熱灯照明にしたいものです。白熱灯の優しい光に包まれると心も自然に安らぐものです。


省エネは地球を守り自身の健康も守る?

住む人も若い建築家も大工さんも、この自粛生活の中、住まいの在り方や生活の仕方の是非に気づき、その本質を探るような兆しも見えて来たようにも思えます。伝統継承も大切ですが、これからの新しい日本の住まい住まい方を創ろうとする機運になって来たとも思えるのです。

照明の発祥の地とも言える北欧の暮らしは、今も長時間夜に閉ざされる冬の生活、その装いこそ味わい深い“灯り”の文化となり、照明はことのほか敏感でさらに今もその発展に余念がないのです。その灯りこそが目に優しく地球の環境にも優しいものです。

今思えば「省エネ文化」はあの第四次中東戦争(1973年)アラブ諸国の原油高騰で原油価格引き上げの政府発表だけで、突如トイレットペーパーが消え銀座の灯が消え、世間が真っ暗になったことからと言えるのです。当時の大阪万博以降、高度成長の好景気は音を立てて崩れ、建材などの生産も滞って高騰し現場は動かず、人々は建築を断念し仕事が無くなり、78年の第二次オイルショック収束までの5・6年間、苦渋の生活を強いられ、まさに今日のコロナ蔓延による自粛生活で改めてあの当時が思い出されるのです。

資源を持たないわが国の経済や生活はすべて資源輸入によって生かされていたことを、煌々と電気を着け、安穏と快適生活を送っていた私たちは思い知らされ省資源と省エネの姿勢を学んだのです。



灯りの演出は暗さを愉しむ“遊々”自適?健康住宅

暗い中で楽しめる木の温かい灯りとデッキから見た室内(箱根A様邸)
<暗い中で楽しめる木の温かい灯りとデッキから見た室内(箱根A様邸)>



今、地球全体でこのことを考え直さなければなりません。人類は古代の生活には逆戻りはできませんが、時にはテレビを消して電灯も消してろうそくや月夜の明かりを楽しむなど優雅で“豊かな生活”体験も必要なのかも知れません。
新築やリフォームの際には、LEDと白熱灯双方で生活行動に合わせて照明器具を設置し、出来れば光源を剥き出しにするのではなく、造作で間接照明にし反射光にしたり、調光器で掃除のときは全開で明るくし、白熱灯を絞って暖かい雰囲気にして極力眼を休めるのです。調光で光を絞って“暗さを演出”すると眼だけではなく心も落ち着くのです。


リビング間接照明で演出スクリーンが下りてシアターに早変わり(I様邸)
<リビング間接照明で演出スクリーンが下りてシアターに早変わり(I様邸)>


 こうして住まいを愉しみ、「あかり」と「暗さ」を愉しむ。生活に合わせて照明の明暗を行うことは省エネにもなり、生活にメリハリができて家族の表情も、心も豊かになり生活がドラマチックにもなるのです。
今改めて、まだまだ続きそうなこの自粛生活の中でこの“あかり”が元気と気力を与えてくれるはずです。これこそが悠々自適いや “遊々”自適の健康住宅なのです。
次回はこんな大切な睡眠を求めて、快適睡眠「寝室」のお話です。

 


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緊急事態宣言発令後も感染者数収まらない中、
果敢に闘っていらっしゃる医療従事者の皆様方に
さらに敬意と感謝を申し上げます。(天野彰)

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