都市の住まいは狭い!だから狭“楽”しく住む!
そう、狭さを楽しむことです。
その2LDKや3LDKはもともと狭いから何をやってもダメだとあきらめてはいけません。そんな狭い住まいの悩みは何かを?根本から探るのです。するとほとんどが玄関に入ってすぐDKとなり、キッチンが丸見えとなることが多いのです。
住まいをすっきりしようとするためにはまずこの台所を常に片づけ、物をしまわなければなりません。これは調理好きの人は狭苦しさのみならずむさ苦しく料理をするのも楽しくありません。そのせいか子どもたちも夫も同僚や仲間を家に連れてくることがありません。
そこで間口が一間(1.8m)あるか無いかの狭い「街のスナック」を思い出してみるのです。玄関ドアを開けたら目の前にカウンターがあり、側面の棚にはグラスやボトルなどが綺麗に並べてあります。そのカウンターの椅子に多くの客がカラオケを歌ったり、ママさんと楽しそうに飲んでいるのです。この「街のスナック」に比べたらわが家の方がはるかに広いはずです。このスナックを見習ってキッチンと食卓を「わが家のスナック」にしてしまうのです。ママさんは奥さんです。客は子どもたちでありご主人です。時には彼らの友だちや同僚も。そのカウンターの腰掛けは8脚も10脚入れられます。
<イラスト1:開店!わが家のスナック(画:天野彰)>
いわゆる「対面式キッチン」なのですが、食卓に物を出すのも片付けるのも楽になり家族との話も進み。カウンターの内側にはキッチンのシンクやレンジがあり、バックには食器棚や冷蔵庫を埋め込まれます。これでカウンターの外側からは内側のシンクなどが見えず、玄関からの視界もすっきり広くなります。
イラストのようにカウンターを延長してテーブルを取り付けて家族が取り囲めるようにすればダイニングテーブルとなり、コンロや鉄板を真ん中に仕込めば炉端焼きやステーキハウスのようにもなるのです。
マンションでのリフォームでこうしたキッチンの移動には、排水と排気が重要です。レンジの移動は動かない換気扇の位置からダクト(煙道)を多少横引きすることで可能で、電磁調理のIHレンジなどにすれば湯気の排気だけで済み、大型のフードでも排気できます。シンクの移動は給水管やガス管は簡単できますが排水が問題です。排水は水が自然に流れる勾配(こうばい=傾き)が必要で、1/50つまり50センチの距離ごとに1センチ以上の高さが必要です。元の排水口からその範囲内なら移動が可能です。
そのために床をまたぐにはその高さ分をキッチンの床を上げなければなりません。床の段差は危険ですから。キッチンの元の排水口までキッチンの下かカウンターの下の壁の中で配管できる位置を探すことがコツです。
<イラスト2:平面と断面:シンクの移動は排水勾配が重要(画:天野彰)>
このカウンターキッチンをどちらかの壁際につくればサロンはすっきり広くなり、玄関に向ければ、まさしくあの「街のスナック」でいきなり「いらっしゃい」となるのです。夫も子どもたちも友だちを連れて気軽に立ち寄りたくなるのです。子育てが終わってからもこのキッチンは、こうして“外に向かって”赤提灯か暖簾の店?になるほどです。
次回はこのスパのスナックカウンターを発展させ、サロンの中心に置いて「みんなのキッチンテーブル」のお話しです。
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