まさしく住まいこそバスライフで、まずは快適で安心、楽しくしかも色っぽく?浴室から家中に響く子どもたちの声は、まさにわが家族の平和の象徴です。その子どもたちが育って出て行きしばらく忘れたころ、今度は狭い2LDKのユニットバスから孫たちが来て、はしゃいで新たなバスライフが戻って来ます。湯けむりの中で響く独特の音と湯上りの匂いは懐かしく、子育てで忙しかったころは気も付かなかった大きな癒しとなっていることを改めて知るのです。 その入浴スタイルこそがわが国の文化とも言えるのです。
わが家にはドイツやメキシコさらにはトルコなど多くの交換学生がホームステイに来ます。彼らにバスタブに浸かってリラックスするよう勧めるのですが、その誰もがシャワーだけ浴びて浴槽には入らないのです。もともと乾燥して水もあまり豊富ではない国柄のせいか?その習慣がないのでしょう。
それに比べて私たちが欧州などに行くと豪華なホテルでもそのインテリアに比べ湯船が浅くまるでシャワーパンのように浅いことに驚き、そこにお湯を溜めて、まるで“トド”のように身体をくねらせながらこちょこちょと洗っている姿は滑稽で悲しくなるのです。その時こそ溢れんばかりのお湯にどっぷり浸かって、頭からザバ-とお湯を浴びるわが家に帰りたくなるものです。まさにホームシックならぬバスシックです。改めて私たち日本人は湿度が高い気候ながら、その代わり水に恵まれ、まさにバススタイルにおいて贅沢な国民ではないかと思うのです。
確かに古今東西、お湯につかってリラックスするのは最高のリラクゼーションで、かつてのローマ時代のカラカラ浴場をはじめ、現代では豪華ホテルのスパでも、ジャクジーバスが至福の贅沢となっているのです。まさにそれこそが裕福な生活の象徴となっているのです。
その風呂が “湿気大国”日本の誇りある文化なら、もっと堂々と住まい全体をバスライフの豪華「スパ」にしてしまうのはどうでしょう? 家に帰るやいなやシューズクロゼットで外出着などをすべて脱ぎ去り、そこで部屋着に変えてそのままリビングやダイニングで過ごし、さらにガウンを脱ぎ去りお湯にザブン!です。まさにウイズ・コロナ時代の清潔なライフスタイルと言えましょう。
すでに一人暮らしの人たちは家に帰るなり玄関でパッと裸になり、風呂もトイレも開放してそんな生活しているはずです。まさに私自身、出張などでホテルに帰るなり裸になって開放的な過ごし方をしているのです。
それこそがわが家と言うものです。家族が居る限り、ガウンなどは纏うものの家族とは本来はそんな“裸の生活”のはずです。これは今の2LDKでもすぐにできることなのです。
<イラスト:2LDKをすべてガラス張りで開放すると広くなる!(画:天野彰)>
壁で仕切られた洗面や脱衣室や浴室さらにトイレの壁さえもすべてを取り去り、ガラス張りなどにして一つの広いサロンにするのです。そこにキッチンカウンターや食卓、さらに家族のベッドを置くと言うシンプルな発想です。なんと今までの2LDKがこれほど広いものか!と驚くはずです。
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<写真1:ガラス張りで広く開放的で色っぽく(横浜T氏邸 設計:天野彰)> |
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<写真2:中庭と一体の月見の露天風呂(下呂N氏邸 設計:天野彰)> |
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<写真3:トイレ洗面浴室を御影石でつくる(世田谷I氏邸 設計:天野彰)> |
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<写真4:総檜の芳香漂う贅沢浴室(千葉Y氏邸 設計:天野彰)> |
そのサロンにトレーニングマシンを置いたり、エクササイズをしたりなど、元気に、そして開放的で色っぽく!ウイズ・コロナ時代を暮らすのです。
次回は、さあ、そのスパに食卓カウンターを、「わが家のスナック?」です。。
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