人生百歳元気で快適に住む(3)「契約同居?のつくり方」
○今回のポイント 1 親と子・孫がお互いに助け合う形の契約同居が理想的
○今回のポイント 2 古い家を新しい家族の集まりとして活用し地域の活性化に繋げる
今さらわが子夫婦と同居して住む!などと野暮なことを言っているのではありません。ましてや子夫婦に声を掛けて誘うなどと令和の時代の親としたら何とも情けないとお思いの人も多いことでしょう。かつて「同居」とか「三世代」とか「二世帯住宅」などと言う言葉がはやりました。最近はこれらは死語かと思えるほど話題にも上がりません。すでに「核家族」などと言うことも言われなくなりました。なるほど家族がバラバラで住むことが当たり前の時代だからです。
こうした親たちは今高齢となり老いていよいよ介護が必要となりどちらかが入院したり施設に入り、先立たれたりすると言う歳となり、いよいよ独居老人となり介護サービスや在宅介護となるのです。
結果住宅地には電気のつかない空き家が増え、街は過疎化し、ますます生活経済は衰退し社会はバランスを失い不安となるのです。
家族主義で何百年と暮らしてきた農耕民族「一家」は西洋の狩猟民族社会とは相入れず?小さな「一家」だらけとなり、もはや家族はおろか隣人や地域、社会とも交流がなくなり、まるで隔絶された“ワンルームマンション状態”だらけの家々となっているのです。
そんな折、今まさに参議院選中で、今さら「地域コミュニティ」などとも言えず、こうした根底の問題を取り上げて具体的な提案をする候補者など一人もいないのです。それどころか選挙で何が変わる?と言った風潮で、すべてが粛々とオリンピックイベントへ目が向けられ、今こそ解決しなければならないすべての難問が覆い隠されているような感さえします。
反面インターネットがまるで残された唯一のコミュニティネット?のようになり、閉じこもった「核」を繋ぎ不気味に社会を形成するか?のようで、まるでゲーム遊びのような家族となり、この先リアルに“マーベルコミックのような社会”となるのかも知れません?
しかし現実は今、生きて行かなければなりません。老いて生きる大きな仕組みだった?年金も政府が言うように確かではありそうもないのです。そこで自らで身の周りを固め、「新たな家族」をつくらなければならなさそうです。まさに肉親に頼るのではなくまったく次元の違う家族の形成です。それはまさに「新たな同居」で家族を形成し、自ら子世代、孫世代を助け、さらに子世代は親世代、祖父母世代を救うのです。
なんてことはありません。今あるわが家を開放し、わが生活スペースを最小限に縮め(減築し)て余ったスペースに子世代に安く貸して、それを少々の糧とし、その代わりにわが身の異変の通報を頼み、さらに子世代の子どもたちの見守りをして助け、彼らが働きやすい環境をつくるのです。まさしくこれこそ「契約同居」で新しい賃貸契約なのです。
この形は今現在の高齢化したマンションの住民がそれぞれの年代の大きな家族とみなし、若い人や元気な老人が老いて不自由な老人たちに手を貸し、子世代の子どもたちを協力して預かり見守るのです。賛同を得られた人々で「契約」し、ケアや掃除など細かい費用のやり取りをチェックし、まさに相互扶助となるべく運営をし、それを遂行する管理者を選びさらに監視する監査機構を構築していくのです。
このどうしようもなかった古い家やマンションが巨大な「老人施設」、「保育施設」となるのです。こうして家やマンションは再生されメンテナンスもでき街も地域も活性化するのです。
すでに古い団地などではこうした取り組みが行われ、さらに空き室を借り受けてさらにそれを生かそうとする運動が生まれているのです。あの戦国時代に生き抜き、その先300余年に渡り再生され、今日まで生き抜いた白川郷の合理的なアイデアに満ちた合掌造りの家のような、新たな家族の形、家の形を皆で構築する時代なのかも知れません。
<営々と300余年も続く大家族の家 白川郷合掌造り(写真:天野彰)>
次回は新たな超高齢化人口減少の時代「何が必要か?今家で出来ること?」です。
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